毎年、暑い夏の最後を締めくくるアナログゲームの祭典「JGC」。今年も8月29日~31日の3日間、全国のアナログゲーマーが新横浜プリンスホテルに集まりました。JGCでは、グループSNEやF.E.A.R.などによる公式コンベンションをはじめ、ライブRPGや新作ゲーム体験会、JGCで初公開となる新作が物販スペースに並ぶなど、魅力が目白押し。もちろん、フリースペースでは参加者同士のTRPGも遊べるとあって、寝る間を惜しんで遊ぶ参加者も多いほどの熱気に満ちています。もちろんTRPG every dayも新横浜へ突撃! 今回はグループSNEによるトークショーを中心に新しい動きを取材してきました!

改訂版や新サプリメント「ルミエルレガシィ」

8月にはグランドキャンペーン「ドラゴンレイド」がスタート、基本ルールブックの改訂版も出揃った上、新サプリメント「ルミエルレガシィ」が発売されるなど、発売6年がたってますます勢いを増すソード・ワールド2.0。JGCのトークショーでも80人以上の人が詰めかけ、その関心の高さを裏付けた。

二部構成の前半では北沢慶、清松みゆき、田中公侍の3人が改訂版やルミエルレガシィに掲載された新データの裏話を明かした。特に、「グループSNEで最もライダー技能を使いこなす男」北沢が熱く語ったのがライダー技能だ。

「これまでもライダー技能は決して不遇じゃなかった。金がかかるだけだ!(笑) でも、やっとワイバーンに乗れても、1ラウンド目のファイアボールで両翼が吹き飛んだぜ!というのがこれまでだった」とバランスの厳しさは認識していたという。

そこで改訂版に当たってはライダー技能が全体的に強化された。また、騎獣にパーツを組み合わせることで部位や能力を高められる追加部位ルールを導入。たとえば、従来は馬とキャリッジ(馬車)は別の騎獣扱いだったが、改訂版からは馬をベースに、追加部位として馬車を組み合わせることで状況に合わせて馬とキャリッジを使い分けることが可能に。また、高価な騎獣を失えば買い直す費用が重く伸し掛かっていたが、買い直しの代わりに不名誉称号がつくというデメリットに変わり、金銭負担も軽減された。

また、サプリメント「ルミエルレガシィ」では200を超える新アイテムが追加。

従来、プリーストといえば女神のヴェール(女性専用装備。回復呪文の回復量がクリティカルするようになる)の存在のため女性が有利だったが、男性プリースト用に「差配の宝冠」が追加。これは対象拡大して回復した際に、回復量を見て、誰にどの回復量を適用するか、後から選べるというもの。これで重傷を負った仲間に一番低い回復が、ついでに回復した軽傷の仲間に溢れるほどの回復が、といった回復量のミスマッチに悶絶しなくて済む。このようにPCの性別などで技能の定番が決まることがないように装備のバリエーションが大幅に増えている。

中でも強化されたのが武器のガンだ。「テストでガンが強すぎたため、バランスを考えて抑え目にしていた」(清松)結果、これまではBランクのジェザイル、デリンジャーを使うガンナーが主流になっていた。今回の改訂・ルミエルレガシィの導入によって、Aランク以上のガンが強化されたり、有利な個性が追加され、「武器習熟/ガン」を取る魅力が大きく増した。

増えたのはアイテムだけではない。種族は改訂版ルールブック3のヴァルキリー、ルミエルレガシィで3種族が増え、人族だけで22種族に。

新種族の中でも特にプレイヤーの関心が高いのが、ルミエルレガシィ掲載の「ソレイユ」だ。太陽神ティダンの加護を受けた種族であり、リルドラケンに匹敵するパワーファイター向きの種族となっている。その誕生は、ティダンの妻である月神シーンに加護を受けた種族シャドウがあることから、「夫にも同じような種族を作ろう」と考えたことという。その性能は実に極端で、「筋力がグラスランナーの精神力並、知力がグラスランナーの筋力並」(北沢)という「脳筋」ぶり。また、太陽神の眷族らしく、日中は精神力抵抗にボーナスを受けるものの、夜になれば逆に大きなペナルティを受けてしまう。

また、「地味だけど強い」と田中が太鼓判を押したのが「レプラコーン」。小人ということもあり、能力値は全体的に低い(その合計値は全種族中、下から3番目だ)。その代わり、道具を扱わせたら随一の器用さを誇る。種族特徴で、装備欄「その他」が増える他、高レベルとなれば補助動作で装備の入れ替えが可能になるため、ガンの弾丸の装填に困ることもなくなる。「テストプレイでは、補助動作で次々に新アイテムを装備してくれるので重宝した(笑)」と能力値だけでは分からない便利さをアピールした。

グランドキャンペーン「ドラゴンレイド」

続いて8月からスタートして話題となっているグランドキャンペーン「ドラゴンレイド」に話題は移った。

ドラゴンレイドは、「竜刃星」と呼ばれる彗星が3千年ぶりにラクシアの空を横切ったことに始まる世界の危機を描く、ソード・ワールド2.0の新展開だ。失われた予言が警告していた邪竜が目覚め、人族・蛮族の区別なく滅びに瀕することになる。

「グランド」の名を冠している通り、この新展開には怒涛の新刊ラッシュが予定されている。

・小説「ドラゴンレイド戦竜伝」(北沢慶・8月発売)
・リプレイ「千竜と刃の革命(レイド)」(ベーテ・有理・黒崎・8月発売)
・リプレイ「できそこないの転成伝承(ウロボロス)」(大井雄紀・9月20日発売予定)
・リプレイ「竜の学舎と守護者たち(仮)」(秋田みやび・10月20日発売予定)

後半のトークショーではその作者らが主役となって、この新展開への意気込みを語った。これら新刊は、メインの小説やリプレイに加えてデータ集を巻末に掲載しており、単に読むだけでなく、SW2.0を遊ぶ上でもお得な作品になっているという。

JGC以前から、グループSNEではドラゴンレイドに力を入れてきた。7月末にはグループSNEの公式サイトで、作者インタビューを掲載。
Group SNE | ユーザーコンテンツ | 著者インタビュー
新たな舞台・冒険・物語への期待を駆り立てるPVはネットで話題になった。

また、ニコニコ動画のニコ生でも8月16日にトークショーを放送するなど精力的に発信。ドラゴンレイドの関連作品は毎月刊行される予定であり、新展開には今後も目が離せない。
(グループSNEチャンネルはこちら)
グループSNEチャンネル(グループSNEチャンネル) – ニコニコチャンネル:ゲーム

ちなみに、ニコ生では藤澤さなえGMによる公開セッションも生放送されている。このセッションの舞台グレイシア島で冒険者ギルドを運営するゲームアプリは、年内にリリースされる予定だ。
新データに、グランドキャンペーン「ドラゴンレイド」、アプリと、ソード・ワールド2.0は夏を超えてさらに加速していく。次々と現れる新企画のレイド(襲撃)に備えよう!

また、「コクーン・ワールド」や「ルナル・サーガ」についてのトークショーも行われた。こちらもチェック必須の内容になっている。
TRPGから生まれた「コクーン&ルナル」新展開に沸いたSNEトークショー in JGC – TRPG every day


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