探索が癖になるファンタジー同人TRPG「秘境伝説ミスティック・ブレイズ」商品紹介

商品情報, レビュー投稿： 14年7月01日 - 4D4L 周防

秘境伝説ミスティック・ブレイズTRPG

TRPGは正解のないゲームです。

さまざまな趣向や目的、メンバーによって楽しみやすいシステムは異なるもの。TRPG好きの皆さんが案外知らないシステムの中に、相性ぴったりのシステムが眠っているかもしれません。特に、同人制作のTRPGは、一般書店で流通している商品とは異なる、挑戦的なシステムもしばしばです。こかげ書店ではTRPG全面肯定主義の下、そんな同人作品ならではの個性と魅力をずずいっと紹介していきます。あなたの最適システムはここにある！かも？

第一回は「秘境伝説ミスティック・ブレイズTRPG」。
秘境を探索するハンターとなって、未踏地を切り開くファンタジーTRPGです。

世界を支える存在、力の根源、富をもたらすもの、
大いなる秘法「ミスティック・ブレイズ（神秘の炎）」
多くの冒険者が、そして時の権力者も常に求め続けている

このゲームのPCは、「秘法」を得て成功者たらんとする冒険者「ハンター」です。タイトルの一部にもある「秘境」は、この世界における魔法の力が強い地域のこと。多くの魔物が生息する一方で、秘境にしか存在しない希少な物も眠っており、命知らずのハンターたちの主戦場となっています。

◆秘境探索を盛り上げる「探索マップ」

その秘境を表現したのが、探索マップです。

ミスティック・ブレイズの探索マップ。地図とポイントをもとに移動して、未踏地を調べていく。情報を書き込んでいくことで自分たちだけの地図が生まれるのは、SFの古典TRPGトラベラーを思わせる

一見して広く見える探索マップですが、動ける移動先は、探索エリア「○」マークがついている場所だけ。ただし、そこにどうやって向かうのかはPCたちの自由に任されています。

安全な「道」を通れば、アクシデントも少なく移動できるでしょうが、当然採掘や採取で得られるものの価値も高くはありません。むしろ、道以外の「未踏地」を行くことでアクシデントによる魔物との戦闘での戦利品や、未踏地での採取・採掘やイベントなどの収入増も期待できます。PCたちは自分たちの能力や欲望を天秤にかけて、秘境を探索することになります。

個人的に「なるほど」と思ったのは、探索エリアの設定でした。

年配のTRPGプレイヤーなら方眼紙でマップを作った思い出のある方も多いと思いますが、シナリオのたびに作るのは大変です（それはそれで楽しいんですけどね（笑））。このゲームのように探索エリアを設定すれば、GMのシナリオ制作を省力化できますし、プレイヤーにとっても目的地が明確になるので、探索では「あっちを通るか、こっちを通るか」と楽しんで悩めるでしょう。

それに、1回のシナリオで探索エリアすべてを回るのは困難です。同じマップを使って、セッションを重ねながら徐々に未踏地を調査していく──冒険者というよりは探検家めいた楽しみ方もできるのは魅力に感じました。