■1セッションわずか1時間!「JGC出張版TRPGコーナー」レポート
なんといっても、注目だったのが「JGC出張版テーブルトークRPGコーナー」!
こちらは、TRPGを主としてアナログゲームを泊まり込みで遊ぶコンベンション「JGC(ジャパン・ゲーム・コンベンション)」の主催各社が用意した、TRPGの体験コーナーです。遊ばれたタイトルは下記の通り。
・アリアンロッドRPG 2E
・クトゥルフ神話TRPG
・グランクレストTRPG
・ソード・ワールド2.0
・トーキョーN◎VA THE AXLERATION
・迷宮キングダム、キルデスビジネス(冒険企画局作品)
ボードゲームの印象が強いゲームマーケットで、TRPGの公式体験卓というのも驚きでしたが、体験卓は1回わずか1時間で開催されるとあって、その内容にも注目が集っていました。実際、その人気は高く、開催からわずか40分で、全5回分の参加申し込みが埋まっていました。この体験卓目当てでゲームマーケットに来た方もいたようです。
一部ですが、開催卓を写真とともにご紹介します。
ソード・ワールド2.0は、今夏に発売予定の「ソード・ワールド2.0 スタートセット」を使った体験卓。スタートセットは、マップやコマ、サンプルキャラクターのカードなどのコンポーネントが納められていて、これ自体が短時間で遊べる工夫が満載されています。中高生といった若い参加者、TRPG初心者が多いのも特徴的でした。
アリアンロッドRPG 2Eは、戦闘を主とした体験卓でした。PCは、あのフェリタニア王国の募兵に応じた兵士候補となって、ピアニィ女王の試験(もちろん戦闘)を受けることに。分かりやすいルールもあり、自然と戦闘に慣れ、参加者がキャラを立てていくのが印象的でした。もちろん“殺意”の代名詞も伊達ではありませんでした(写真は見事ピアニィ女王の試験に合格した猛者たちと菊池たけし先生)
クトゥルフ神話RPGは、ルールの簡略化や残時間による強制イベントなどの工夫で、1時間に1セッションのエッセンスを盛り込んでいました。ホラー系ボードゲーム『マンション・オブ・マッドネス』のコンポーネントを活用したクトゥルフらしい世界の演出も目を引き、多くの観客が集まっていました。
キルデスビジネスは、もともとサイコロ・フィクションが短時間で遊びやすいシステムということもあり、サイクル数を減らして1時間に収めていました。こちらも「キルデスは知ってるが遊んだことがない」という関心は持っていた初心者が多かったのが印象的でした(写真は、エンディング直後の卓の様子。勝者に勝利のヘルピースをしていただきました)。
とにかく参加者には10代20代を中心とした若い世代、中でもTRPG初心者が多く、TRPGの体験コーナーとして見事に狙いが当たった印象でした。実際に体験卓で遊んだ参加者からも「TRPGは知っていたが遊ぶ機会がなく、こういう体験コーナーなら参加してみようと思った」と声が聞こえました。コンベンションやオンラインセッションの敷居を高く感じる方も少なくないようなので、受け皿として今後もこうした企画が期待されます。
■TRPGで行列も! TRPG関連ブース紹介
もちろん、出展ブースにおいてもボードゲームに負けじと多数のTRPG関連ブースが出展されていました。その一部をご紹介します!
まずは体験卓でも参加していたグループSNE。出展ではボードゲーム主体で、新作の『コクーン・ワールド ザ・ボードゲーム』は開場即完売の人気ぶり! コクーン・ワールドのボードゲームは5月中旬にも店頭販売予定とのこと。また、先行販売のポーランド版人生ゲーム『CV』も注目を集めていました。
そして、キルデスビジネスはじめ体験卓で人気だった冒険企画局。ボードゲームも販売していますが、今回特に人気を集めたのがサイコロ・フィクション『インセイン』用カードセット『インセインカード』。今春までに発表された全ての狂気カードに加え、新カードも収録されているとあって開場後すぐに行列ができる人気でした。こちらも専門店で販売されるとのこと。入手できなかった方は期待して待ちましょう!
また、同人出展は数としては前回とほぼ横ばいでした。今回、TRPG企画もあってTRPGに関心を持っていたり、比較的初心者に近い層の方が多く来場していただけに、今後はもっと注目を集めていくでしょう。駆け足ですが、写真中心でご紹介します!
『聖珠伝説パールシード』でご存知、サークル「オニオンワークス」。昨冬に発売したパールシードのサポートブック2をはじめ、関連作品を頒布。また、今回の公式体験卓以前から、パールシードの1時間体験卓(写真右)を開催していたサークルさんでもあります。
サークル「打算とも名誉とも無縁なもの」はこかげ書店でも委託しているTRPG批評同人誌に加え、どこかで見覚えのある男性のイラストが目を引くボードゲームを発売。こちらも試遊卓を活発に活用していました
サークル「Schizoid Fox」は既発表の作品を中心とした出展。タロットを使ったTRPG「クラウン&クラウン」はもちろん、TRPGとボードゲームを融合させた「Dungeon Mania」が改めて注目を集めていました
ハードボイルドなSF世界が人気の『ガラコと破界の塔』でお馴染み、サークル「ロンメルゲームズ」も既刊での出展で、ほぼ完売の人気ぶり。ちなみに、左下のタブレットに映っているのは、ガラコたちが熱いバトルを見せる動画。今後の展開もいろいろ進展中だそうで、楽しみです!
サークル「筋肉企画」では、聖杯戦争をサイコロ・フィクションで再現した『Fate/Table Night』が完売。その他にも二次創作TRPGや、同人誌の作り方本など多数を販売していました
藤浪智之さんのサークル「コトノハゲームズ」の新作は、ゲームブック『アイドル★スター』。「読者が気楽に楽しめ、作者も気楽に作ったゲームブック」と藤浪さんが語る新作は、SFアイドル物。さらに夏に向けて、宇宙SF物TRPGも企画中とのこと!
伏見健二さんのサークル「エテルシアワークショップ」も新作を頒布。児童向けTRPG『ラビッドホールドロップス』をポケットサイズのコンパクトな冊子にまとめた『ラビットホール・ドロップスV2』は、一冊で童話のような世界を楽しめる便利な作品。
というゲームマーケット、私も本当に堪能してきました!
また、今回、会場で特に印象に残り、方々で耳にしたことが若い世代の来場客が多いことでした。会場には、家族連れや学生同士など、裾野の広がりを感じる光景が広がっていました。もちろん、その中には、JGC出張版TRPGコーナーの参加者をはじめTRPGファンも多数含まれています。TRPG以外でも、TCGの出展や、ボードゲームデザイナー志望者向けの企画も展開し、さまざまな裾野の広がりを感じさせてくれた今回のゲームマーケット、早くも次回が楽しみです。
もちろん、今回ご紹介したのはゲームマーケットという巨大なイベントの中のTRPG関連、さらにその一部でしかありません。ご興味が湧きましたら、秋の東京、来年3月ごろの大阪と次のゲームマーケットに足を運んでみることをオススメします。あなたの心に刺さるゲームが、きっとありますよ!
(関連記事)ちなみに、ゲームマーケット運営側に行った事前インタビュー記事も公開中。ゲームマーケットの今後の方向性、運営側の思いを熱く語っていただきました。こちらもぜひご覧ください!⇒目標2万人!拡大し続けるゲームマーケットはTRPG新企画も展開し、さらなる進化を目指す!
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