毎年、暑い夏の最後を締めくくるアナログゲームの祭典「JGC」。今年も8月29日~31日の3日間、全国のアナログゲーマーが新横浜プリンスホテルに集まりました。JGCでは、グループSNEやF.E.A.R.などによる公式コンベンションをはじめ、ライブRPGや新作ゲーム体験会、JGCで初公開となる新作が物販スペースに並ぶなど、魅力が目白押し。もちろん、フリースペースでは参加者同士のTRPGも遊べるとあって、寝る間を惜しんで遊ぶ参加者も多いほどの熱気に満ちています。もちろんTRPG every dayも新横浜へ突撃! 今回はグループSNEによるトークショーを中心に新しい動きを取材してきました!
復刊に当たって細部にこだわり、表紙イラストも描き下ろし!
ロードス島戦記に続き、グループSNEの名作ファンタジー小説の復刊が決まった。友野詳の代表作と言える、コメディたっぷりのギャグファンタジー「コクーン・ワールド」、そして七つの月に導かれるハイファンタジー「ルナル・サーガ」の2作品だ。
11月1日には両作品の第1巻が、その後も毎月、交互に刊行される。単なる復刊ではなく、「読みにくいところ、時事ネタなどは手を入れている。前よりも読みやすくできた」(友野)と自信を見せる。
この両作品ともグループSNE発の作品らしくTRPGから生まれた小説だ。ルナルは汎用TRPG「GURPS」の背景世界の一つとして友野詳が1991年に制作・発表した。安田均は「(友野は)入社二年目だったが、七つの月を軸としたルナルの世界だけでなく、次々に4つの世界を提案してきた。これだけアイデアが出てくるなら任せてみようと思った」と当時を振り返った。
コクーンは当初商業化する予定はなく、グループSNEの新人同士の親睦を深めるために始めたものという裏話も明かされた。こちらもルナルと同じ91年、当初ソード・ワールドTRPGの舞台としてスタートしたが、その後ソード・ワールドと似て非なる世界として小説化され、オリジナルTRPGルールを展開するなど、人気を博した。
両作品は、個性的な世界を見事に捉えたイラストも魅力の一つ。復刊に当たっては、このイラストも一新される。
トークショーに同席した、コクーンのイラストレーター・弘司は「話を聞いたときに、『前の絵を使います』と言われて、すぐ『新しく描き下ろさせてください』とお願いしました。(昔の絵なんて)俺が死ぬ」と話し、会場を笑わせた。
ルナルのイラストレーター・西村博之もアニメの作画監督などの仕事を抱えていたが、「休みの日で書きますよ」と快諾したという。
そして「ドラマCD」も含む新たな展開も
さらに会場を沸かせたのが、両作品のまさかのドラマCD化。「20年前の作品なのに(笑)。世のラノベ作家に20年たっても儲けられると希望を与える企画」(友野)。声優はまだ決まっておらず、検討段階という。イメージに合う声優がいれば教えてほしいと会場に呼びかけた。
十分目白押しと言われる企画発表だが、それで終わらないのがグループSNE。小説・ドラマCDに続き、来年春に向けてコクーンのボードゲームの制作中だと明かした。その内容も、
「超面白スゴロクみたいなボードゲーム。日本では今までにないゲームになる」(安田)
「戦術を突き詰めるより、ガンガン笑いながら遊ぶゲームです」(友野)
と期待を盛り上げる。
友野は「20数年ぶりの復刊で、昔から好きな人はもちろん、若い人にもぜひ見てもらいたい。さらに(復刊だけでなく)新しい作品につなげられるように皆で盛り上げてほしい」と意気込みを語った。
JGC後には作者自らこんなツイートも。
ルナルとコクーンワールドのドラマCDは、本編のドラマ化ではなく、書下ろしプロットの番外編になります。それぞれ、発売時に出てる巻にあわせました。なので、コクーンはリィズが、ルナルはレルシェがでます。声優さんはまったく未定なので、お好みのリプライなど頂いたら参考にさせていただきます。
— 友野詳 (@gmtomono) 2014, 9月 1
コクーンのイラストレイター・弘司さんも応援ツイート。
コクーン・ワールドのファンの皆様、一緒に盛り上げていきましょーっ pic.twitter.com/JzbxpsqwsP
— 弘司 (@koji_illust) 2014, 9月 1
また、TRPG「ソード・ワールド2.0」についても新サプリの裏話や今後の展望についての濃厚なトークショー内容をまとめたこちらの記事もチェックして欲しい。
ファンタジーTRPG「ソード・ワールド2.0」グループSNE in JGC
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