さてこの「TRPG」という遊び、初めて聞くとどういったものなのかよくわかりませんよね。今回はそんなTRPGについてさわりだけ紹介します!
TRPGとは、「テーブルトークロールプレイングゲーム」の略で、参加者同士で会話をしながらお話を進めていくゲームです。海外では「テーブルトップロールプレイングゲーム」とか言います。卓上で遊ぶRPGという感じですね。ここでいう「RPG」はロールプレイングゲーム、ドラクエやFFなどでお馴染みのゲームジャンルです。一つRPGと違うのは、TRPGはゲーム機を使わずにする遊びだということです。
TRPGは参加者全員がゲームのルールに沿ってキャラクターを動かして遊びます。戦闘や物語中の選択肢、謎解きなどを全て参加者同士の会話で進めていくのです。だから「テーブルトーク」で「RPG」なわけです。
TRPGでは何が出来るのか
TRPGの最大の特徴は「何でも出来る」という点にあります。「遊び」を保つためある一定の縛りはありますが。例えばゲーム内のキャラクターと会話していて愛着が湧いてきたら仲間として誘ってみたり、仲間割れした後その一人が最終ボスとして決戦で物語の幕を閉じたり。参加者全員で物語を紡いでいくからこそ、どこまでも自由にお話を広げていく事ができます。
マップの端にたどり着いて「それ以降はどうしてもいけない」という壁に憤ることはありませんし、選択肢に制限はありませんし、街のありとあらゆる家に入ってみる事も可能ですし、王様になることも、新しい魔法やアイテムを作ることも、シナリオ自体を無視する事もまた、可能です。
ゲーム機でRPGを遊んでいて、「何故ここでこれができない?」「このスキルがあるならここはこれでいけるはず」「この選択肢があればこの問題は解決できるのでは?」等など。様々なあれができたら、これができたらをTRPGでは行うことが出来ます。
TRPGはコミュニケーションゲーム
さて、「何でもできる」とは言いましたが、それは原則、何でもできるというだけの話でもあります。
TRPGはコミュニケーションゲームです。そのゲームを遊ぶために何名かの参加者が必要になります。行動はしっかりと事前に提案し、参加者に了承を得る必要があります。参加者が不快になるような行為をしてはいけません。それは、皆で遊ぶための一番に優先されることですよね。
楽しむためにゲームに参加したのに、好き勝手に動きまわって引っ掻き回す人がいたらどうでしょう? がっかりしますよね。
敵城を探索中に仲間の一人が目につく物を壊し始めて火をつけ「これでここの奴らは全員外に出てくるぜ」と言い放ちます。結局は城中の敵に追い掛け回され囲まれ、逃げられない状況に陥ってさらには火の中で戦う必要になりました。城の崩壊も始まり5ラウンド以内にどうにかしないと全員瓦礫の下敷きになる羽目に。また、上手く逃げ出しても火は街に燃え広がりあなた達は結果として国から指名手配される事になりました。
普通のゲーム機で遊ぶRPGなら、ここまでしっちゃかめっちゃかになる事もないでしょうが、TRPGならもっとひどいことになる可能性もあります。物語は参加者皆で紡がれてどこまでも広がったり、転がったりするからです。「何でもできる」からこそ、どこまでも話が転がっていく可能性があります。参加者皆で納得した上で、楽しくゲームを遊ぶことが必要です。
TRPGがゲームになるために進行役になる人がいる
さてさて、上でしっちゃかめっちゃかになった物語ですが、ここまで酷いことにならないように物語を管理する役割を参加者の一人が担います。これが「GM」、「ゲームマスター」です。他の人は「PL」、「プレイヤー」になります。GMは物語を管理し、敵や味方含めて動かしたり、ダンジョンを設置したり風景を描写したりします。プレイヤーはそれに反応して各々の思い描く行動を宣言します。
GM:あなたが自分の部屋に足を踏み入れると、何もかもがぐちゃぐちゃに散乱している状況でした。どうやら強盗でもはいったようです。
PL:なにか盗まれてないか確認しなきゃ!
GM:うーん、どうやら依頼主から預かった荷物を盗まれたようだ。きちんと持ち歩いていないからこういうことになる。
PL:えー! だってあれ持ってるとHP減るんだもん。・・・・探索魔法をかけてみたいんだけど。
GM:いいよ。それじゃあダイスを振ってみよう。六面ダイス二個で10以上出せれば方角くらいはわかるかもよ。
PL:よーし! あ、そういえば盗まれてもいいように使い魔つけていなかったけ? あれで詳しい場所までわかるんでは?
GM:・・・うーん、どうやら使い魔は剥がされちゃったようだ。相手は相当レベルの高い魔法の使い手と見える。
PL:なんだって! ぐぬぬ・・・。
TRPGはだいたいこんな感じで進行していきます。PLの行動がダイレクトに物語に反映されていき進行し、GMはそれに合わせて新たな描写を加えて物語を管理します。今回で言えば、物語の進行上もうちょっと手間取って欲しいためPLが事前にしかけた使い魔は倒されてしまったようです。楽しいゲームにするため、参加者皆で物語を組み立てていくのがTRPGの遊び方、といったところでしょうか。
GMは物語が楽しく回るように管理調整、PLは物語が楽しく動くように提案し行動する。参加者皆でひとつの物語を組み上げていくのがTRPGの醍醐味です。
色々あるよTRPG
さて、今回は軽くTRPGのお話をしていきましたが、有名なTRPGタイトルをいくつか紹介していきます。
おそらく日本で一番プレイ人口の多いTRPGではないでしょうか。沢山の人が遊んでいるため、ゲームをする機会が多く、人に困らないというメリットがあります。沢山の追加データ本などが出ていて、どこまでも遊びこんでいくことができるのも嬉しいですね。世界観はオーソドックスな剣と魔法といったところでしょうか。
ログ・ホライズンもTRPGになっています。NHKのアニメもあり抜群の知名度を誇っていてプレイヤーも中々多いです。膨大なスキルに遊びごたえのある戦闘ルールはハマる事間違いなし! 500ページという超弩級の分厚さもあるので少し気後れするとは思いますが間違いなく楽しい一品ですよ!
艦これもTRPGになっています。こうしてみると人気作品は結構TRPG化されているのですね。なんといってもこの艦これRPGでは、艦娘を使ってゲームに参加する事ができるという特徴があります。キャラクターページを開けばデータが乗っているのでそれを見て遊ぶだけ。簡単! そしてこの本には実際に遊んだ人たちの議事録、「リプレイ」がついてきます。TRPGって実際の所どうやって遊ぶの? という疑問をいち早く解消してくれます。
ネットでもこのリプレイの導入部分を読めますので、だいたいの雰囲気を知りたいのならば読んでみると良いでしょう。TRPGリプレイは真ん中あたりの「リプレイパートを読む」から移動することが出来ます。
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