TRPGを作ろう – TRPG every day

これまで、アイデアを出し、ルールを構築し、世界観を構成しました。ここで一旦立ち止まり、これまでの要素がしっかりと結びついているのかを確認するといいかもしれません。ルールと世界観、そしてこれから発展するであろう次のアイデアやセッション自体の進行に齟齬が無いかどうかを思考実験してみます。

ターゲットはどこになるのか

まず、このTRPGタイトルは同人誌などでの頒布を予定せず、完全にネットに特化した作品として構築します。webで小説やある程度の長い文章を書いた人は良くわかると思いますが、ネットユーザーは「目的」が無いと文章を読みません。そのためリーディングや導入にかなり気を使うわけですが、そもそもTRPGのルールとは、世界観・キャラ作成方法・ルールがセットになっています。

TRPGを初めて遊ぶ、TRPGに興味がある人というのは、まず「遊んでみたい」のです。それなのにルールブックを提示されて、全部読んで。というのはスマートじゃありません。なので、このTRPGタイトルを初めて遊ぶ人や、TRPG自体の初心者がルールを読まずに参加することの出来る物を目指します。

ルールを読まずに遊べるルールにするには

ルールを見る必要なくセッションを遊ぶようにするには、世界観とルールを上手く組み合わせていく必要があります。このタイトル「ワールドデバック」では、MMORPGを参考に調整し、それが可能になるようにしています。

「ワールドデバック」では、世界が実は神様のゲームの中にあって、さらにはそのゲームがバグってしまいハチャメチャになってしまった。というような世界設定があります。なので、初めてのPCたちには現代日本人になってもらい、世界が崩壊する様を目の当たりにする所からセッションはスタートします。=世界観の説明。

初回セッションではPC達は兄弟、親子、友達同士など、セッション前の時点で濃い関係性を持ってもらい、全員が集合している状態からセッションを開始する事により、チュートリアルを円滑に、かつホットスタートが出来るようになる仕組みを設けます。=パーティー結成時のぎこちないコミュニケーションの回避、世界観が違いすぎるキャラクター作成による目的統一のためのやりとり回避。もちろんオプションルールです。

シナリオパートでは、常に次の目標が提示されていて、何をすればいいのかがわかります「例:村長から依頼を受ける>ダンジョンを見つける>奥のゴブリンリーダーを倒す」=目的の設定、行動のサポート、セッションの進行度確認。これはもちろんオプションで隠すこともできます。目標がわかるというのは、他のTRPGタイトルだとちょっと不自然ですがこのタイトルではそもそも世界がゲームであった、という前提があるため問題ありません。

シナリオ上不都合かつGMにも手に負えない提案を排除するためセーフティ。=世界がバグにより崩壊しているため、洞窟を破壊する、屋敷に火をつける等といった行動を「バグで上手くいかない」というように断れるようにする。

判定を含めダイスロールは1d10による物だけというシンプルなものにします。=5d6などといった初心者には期待値がわかりづらいダイスロールの回避。

セッション開始時にはキャラクターの簡単な設定のみを作成し、細かなスキル等はセッション中に構築できる導入を可能にする。=世界観を理解した後、シナリオ内で神様よりスキル等の簡単な説明とともに行うことで、違和感なくロールプレイと合わせながらセッションの一部としてキャラメイクをする事ができる。

職業ごとに判定や運用のルールを設定する事により、キャラクターシートだけを見ていれば遊べるようにする=例えば剣士は魔法を使わないのに、魔法も含めて統一戦闘ルールとするとどうしても戦闘ルールパートが複雑になりがちになるのでそれを回避し、かつ職業ごとに遊び味を変えて戦闘自体にバリエーションを持たせる。

戦闘では「かばう」などの割り込み処理、ラウンド開始時発動などの条件発動スキルを廃止し、全てを状態異常(バフ・デバフ)扱いにして運用することで戦闘負担を下げつつ、それぞれが自分のキャラ運用に集中できるようにする。=例えば「かばう」を発動したら、味方一人に「かばう」バフが付与され、そのキャラクターがダメージを受けた時に自動的にダメージの一部を自分が肩代わりする。

戦闘中は手番の人に処理を集中させる。手番の人以外に他の人が出来る行動は無いので、一つ一つのタイミングで確認を取る必要がなくなる。例えば攻撃時に命中判定はあるが回避判定や防御判定は無い。=一つひとつのタイミングで「他の人はなにかありませんか?」「かばわないんですか?」といった確認を取る必要がなくなり、戦闘自体のテンポを上げる。

「コストの高い敵を攻撃」「影響値の高い敵を攻撃」などといった簡単な行動パターンを敵が持つことにより戦略の広がる戦闘パート=遊びごたえを出しつつ優先順位を決めやすくする仕組み

死んでも戦闘中に復活できるセーフティーの整備=行動の萎縮や迷いを少なくする。

キャラクターにはHP、コスト、影響値という3つのリソースしか存在せず、戦闘ではマップもないいわゆるドラクエ方式なので見渡しやすくルール上の迷いを少なくする。

物足りなくなった人たちはMODを制作によるオリジナル職業やスキルの追加をしていきどこまでも遊べる環境を提供=初心者から上級者までの広い層のカバー。

セッションの募集環境やコミュニケーションする場などといったインフラ整備を最初から視野に入れることで円滑なプレイ環境の提供。=どこにいけばセッションが出来るのか、募集しても人が来ないといった事の回避。

テストプレイの準備、脳内シミュレーション

洗い出してみると大体どのような要素がこのタイトルにあるのかが見えてきます。あとは脳内シミュレーションをしつつサンプルキャラクターを整え、テストプレイの準備を進めていきます。一人では見つからない問題点を洗い出すには、やはり遊んでみて感想を聞いてみる必要がありますよね。頭のなかではいい感じに噛み合っていると思っていても、実際に遊んでみると微妙。そういう事もやっぱりあります。

本当にこれらの要素は上手くまとまっているのか? 世界観とルールはがっちしているのか? このシステムだけの持つプレイ感はあるのか。それらをまだ未完成の状態で確認していくことが大事だと思います。

次回はテストプレイについて書いていきたいと思います!


TRPGの質問・疑問に答えるチャットを開設しています。お気軽にご参加ください。
TRPG チャット

記事が面白かったときに拡散していただけると、これからのモチベーションに繋がります!