そのシナリオを代表する魅力的なキャラクターを作りたくありませんか? プレイヤーさんたちの興味を引き、目的へとスムーズにつなげるキャラクターを作るのにはとても骨が折れる作業ですね! レシピとしてのアドバイスをまとめました! 参考にしてみてくださいね!!
TRPG every day マスコットキャラクター

キャラクターのためのシナリオか、シナリオのためのキャラクターか

あなたの今のシナリオは、シナリオから作り始めましたか? キャラクターから作り始めましたか? これは同じようで、実はかなり大きな違いがあったりします。キャラクターから広がるシナリオは、そのシナリオの魅力がキャラクターにより左右されます。シナリオから作られた場合は、キャラクターはむしろ興味を引きすぎるとシナリオの邪魔をしてしまう場合があります。

例えば、PCの部屋に、突然見ず知らずの子供が転がり込んでくる。その子は喋れず、PCたちをどこかに連れて行きたがっている。これは典型的なキャラクターを中心として進行していくシナリオパターンです。シナリオを中心としたパターンでは、ダンジョン自体にギミックがあったり、事件の謎解きがメインになったりします。シナリオ中心のパターンでは、下手にキャラクターの設定を凝り過ぎると、PLがそれに興味をひかれすぎて、本筋から外れて予想外の方向へと動いてしまう事があります。

今回の記事は、シナリオを飾る魅力的なキャラクター、ドラマを生み出すためのNPC構築アドバイスですので、自分のシナリオ系統をしっかりと確認して、参考程度にご覧ください。

ドラマを作るNPCとは

ドラマを作るNPCとは、想像力を掻き立てる設定をもっているかどうかです。下記に適当な「属性」を記述していきます。

左手をポケットに入れたまま絶対に出さない。いかなる時も笑っている。左目が始終閉じられている。喉に大きな傷跡があり削げていて、ガラガラ声で喋る。背中から花が生えている。

そういうったキャラクターが、あなた達の前に突然現れ、語りかけ、助けを求めてきます。彼・彼女に一体どのような事があったのか。想像してみたくなるかと思います。そしてまた、それがPC達にも同じように降りかかるとしたら? これでもう、ひとつのシナリオが完成しましたね?

人間は想像する生き物です。物事の裏には何かが歯車のように常に動いていると考えます。そこを的確に手軽につつくには、明確な欠陥を作る事が簡単です。

セッションは短い

キャラクターたちがゲームの世界でどのように長い時間を過ごしてきたのか、私達は容易に記してあげる事ができます。しかし、それを全て語りつくすには、残念ながらセッションの時間は短くそれが目的でもありません。キャラクターがどういう存在なのか。味方なのか、敵なのか。困っているのか、困っていないのか。それらを一言・一行・一文で表現するには、どうすればいいのでしょう。そういうわけで、第一印象のインパクト。「そのキャラクターをもっと知りたい」と思ってもらう事がなによりも大切です。

ただの一般人キャラクターが依頼をもってきたとして、特に興味を惹かれる人はいません。その一般人がセッションのラストボスになった所で、上手くシナリオによる伏線、謎、ギミックを組み上げないと「ふぅん?」で終わってしまうでしょう。「まさか貴方が!? 何故!?」という反応を引き出すには緻密に計算された事象の組み合わせ、伏線の連鎖、振り返って初めて見える時系列など、様々な要素が必要になるのは容易に想像できます。

欠点を作ると言う事

先ほどの「背中から花を生やした」キャラクターを例に取りましょう。あなた達は、少女の母親からの依頼で、山奥にいるモンスターの巣を駆除して欲しいと依頼を受ける。少女は体からタンポポによく似た花が生えており、根は体中を覆いベットから出られない状態にあった。花はもう既に枯れ、綿毛を蓄え今にも種を飛ばさんとしています。あなた達はそのタンポポから種を受け取る。「山奥に植えて欲しいと、花が言っている」生気を吸い取られきり、衰弱しきりながらも少女は笑ってあなた達にお願いした。花は山奥に咲きたいと。しかしそれにはモンスターが邪魔だと。「この花、とても綺麗なの。きっと、あの山でなら、もっと綺麗に咲けると思うの」と。母親は一握りの金を渡した。それは一般市民が出せる金額にはとても思えない程の金額であった。

果たして彼女は助かるのか、そもそも山に植えて良いのか、植えたところで何があるのか、その花はあなた達に害はないのか、なぜ山なのか、その金は本当にその家族の金なのか。結末から来る様々な感情の動きを想像できるでしょうか。キャラクターがフックとなり、プレイヤーに様々な葛藤を生み出します。

もちろんこれは今、この記事を書いている時に咄嗟に思いついた設定ですので、シナリオとして運用するには少々風呂敷を広げすぎています。実際に運用するにはもう少し練りあげる必要があります。ともあれ今の思いつきで、これくらいのドラマは誰でも思いつけるので、これをきっちり練り上げれば中々いい感じのものができると思いませんか?

一つの方法論として、キャラクターに欠点を作りましょう。わかりやすい隙を作ります。隙はプレイヤーの想像が入る隙間になります。別に言葉遊びをしているわけではなく、どうしてそうなったのか、そのキャラクターに何があったのか、参加者はそれぞれの脳内で、勝手にその隙に自分たちの勝手な想像を当てはめて、楽しむのです。

性格、容姿、匂い、服装、拘り。

人は歪です。だからこそ魅力的になります。意図的にその歪さを作りましょう。わかりやすい欠点です。是非、キャラクターからシナリオを作ったり、魅力的なキャラクターが出来ないなと思っていたら取り入れてみてください。あなたのシナリオに、きっと花を添えてくれるでしょう!


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