他にも思いついたら追加していきます。
また、下記に記す各型について、どれが良い、どれが悪いという話は一切ありません。自分がどの型かを認識して、その特徴を伸ばすようにすると良いかと思います。また、別の型に挑戦するのもいいかもしれませんね?
シナリオ構築型
シナリオの道筋を用意して、その通りにPLたちを誘導するスタイルになります。NPCの性格、ダンジョンの構造、敵の情報などなど、あらゆる事柄を整理してセッションに挑みます。場合によってはPCの性格や設定もシナリオに盛り込むでしょう。
シナリオの特徴としては、伏線など綺麗に配置され、起承転結がしっかりした物になります。PLにとっては映画の中で自分たちが動いているような臨調感を感じるでしょう。反面、予想外の行動をされると、シナリオの統合性を取るために奔走する羽目になるかもしれません。想定する事が多くなり、それが負担となる場合も。あまりに組み上げすぎるのも注意ですよ!
シナリオを提供するためにルールが整備されたTRPGシステムを選択するのがおすすめです。深淵、サイコロフィクションシリーズ、シーン制がある物などがお勧めです。
また、極端なシナリオ構築型、いわゆる吟遊詩人化する人も居ます。PL達の行動を極端に制限して、一方的にシナリオを進め、想定外の行動は全て禁止してしまいます。何事もほどほどが大切ですね?
アドリブ型
シナリオを一切用意せずに、PLの行動からシームレスにシーンを描写していきます。その場その場で伏線をばらまき、NPCを用意してメンバーの雰囲気を察して物語を調整します。
特徴としては、エンターテイメント性が高く、PC達のキャラクターが濃く印象づけられるものになるでしょう。既存のシナリオを運用していても、時間や進行状況を見てその場で改変できる対応力があります。反面、セッションの楽しさがPLにより大きく増減します。受動的なPLが多いと物語が動きにくくなる特徴があります。とはいえアドリブ型の特徴はその対応力になりますので、シナリオ型や下記で解説する選択肢型へとその場で切り替える事も可能です。
身内色が強くなりがちになり、当事者達の楽しさを何よりも優先します。そのためシナリオとしての統合性が無視される場合があります。「皆楽しければおーるおっけー☆」な人はアドリブ型に多いです。
事前準備が殆ど無いため、練り上げられた伏線やトラップ、裏設定、造詣の深い敵などは出てきづらいのも特徴です。PLとしても好みがわかれるところでしょう。
相性の良いTRPGは、シナリオパートにあまりルールが無く、全員が同時に好きに動けるものでしょう。基本的にどのTRPGでも問題ありません。
半構築型
アドリブ型とシナリオ型の間という感じです。大まかな道筋を決めておいて、チェックポイントごとにイベントをはさみ、後は自由に動ける形です。
シナリオ構築型よりは柔軟性があり、アドリブ型よりもシナリオに深みがあります。良いところをとっているようで、お互いの苦手な部分もしっかりと引き継いでいます。今の日本のTRPGでは、このタイプが主流のような気がします。
特徴はバランスでしょう。シナリオの統合性はありつつ、キャラクターの行動により物語大きく動きます。柔軟性がありつつ、シナリオも深い。ただし、想定外の行動にはシナリオ型と同じく弱い部分もあります。とはいえ、そこまでシナリオを作りこんでいない場合が多いので、問題なく対応できるでしょう。
バランス感覚が大切です。どちらかに傾くと、途端に調整が難しくなるのがこのタイプの特徴です。シナリオの自由度調整には注意するようにしましょう。
選択肢・イベント分岐型
シナリオ構築型に近いですが、もう少し踏み込んだ形です。イベントイベントについて、選択肢を提示してそれを選んでいく形になります。これは別に、「○○と□□ができるけれどどっちにする?」という形ではなくて、廊下には2つの扉がある。さてどちらに進もうか、それとも戻るか? や、敵に追われていて反撃するか、しないか。などです。この選択によってドンドンと物語が変化していきます。
特徴としてはその柔軟性です。イベントとイベントを組み合わせ、息もつかぬ展開はまるでジェットコースターに乗っているような感覚を味わえます。反面アドリブ型と一緒で物語に深みを出しにくいです。ゲームブックに近い遊び味があり、その時その時にGMにより新しいイベントが提示されます。
少しゲームゲームしすぎるきらいがあり、ダレてしまうPLがいるかもしれません。緩急を大切にしましょう。また、シナリオ自体の汎用性が高い分、同じプレイヤーと遊ぶとマンネリ感を与える可能性があります。ちょっと工夫を凝らしてバリエーションを出すようにしましょう。
難易度締め付け型
ゲーム自体に制限をかけます。それは追加ルールであったり、敵の強さだったりします。通常ではクリアできない中でPL達が必死に動くのが好き。そういう方です。
特徴としては、ロールプレイにてGMを納得させないとクリアできなかったり、そのまま戦闘に入るとまずクリアできない敵条件を最初に出したりします。その上でGMもPLと一緒になって物語をクリアしようと頑張ります。最初に明確なクリア条件を提示する事で、TRPGをゲームとしてのスリルを追加します。
TRPGのロールプレイ面よりも、大喜利による発想、戦闘の楽しさを優先するのが特徴です。全体的にシステマチックになりがちになり、ロールプレイが少なめになるでしょう。
PLたちに満足してもらえるために、PL達の力量をセッション中に測り、敵の強さを調整してギリギリを攻めるようになると良いかと思います。負けても「惜しかった!!」という所に落すことができればPL達も満足度の高いセッションだったと思ってくるれるかと思います。
また、このスタイルでやる場合は初心者さんが卓に混じっている場合は注意するようにしましょう。あまりシステマチックに組み上げすぎると、初心者が他の経験者の先導無しでは動けなくなります。あくまでPL一人一人が自主的に動けてこそ、TRPGというゲームは楽しくなります。
完全受け入れ型
別名、放任型。アドリブ型をさらに推し進めた形です。基本的にGMからの物語の先導をしません。「それではセッションを初めます。どうぞ、動いて」とかやったりします。PLの手なり、提案、行動を全て受け入れてリアクションを介します。
PL達がどのような行動をしようが、GMはそれを物語へ反映して動かします。
このタイプのGMは、PL一人一人対してどこまで手助けするかを調整します。あまり積極的に動かないPLに対してはどう動きたいのかを問いかけ、またはヒントを出し、行動選択を出してみたりします。その一方で手なりにより自分でシーンを出したりNPCを勝手に出したりできる人に対しては一切の口出しをしません。全てのPLから望む行動を聞き出し、やりたいようにやらせます。そこに一切のハンドリングはありません。
「ふんふん」「ほんでほんで?」「それでどうなるの?」とひたすら次の展開を聞いてきます。
その行動の結果、大きなデメリットがPL達に跳ね返ってこようが、それをPLが望んだものとしてそのまま提供します。
基本的に、PL側が協力して物語を成功させようとするならば、すごく楽しいセッションとなるでしょう。ただし、PL同士で行動が統一できないと一切のバランスが保てないピーキーさがあります。このタイプの特徴として、GMのスタンスからして「私を思う存分楽しませてね?」という物なので、PLへの負担が高いのも特徴です。ロールプレイが何よりも好きな人には相性が良いです。そうでない方は、無茶ぶりの連続のように見えて疲れるかもしれません。
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