聖珠伝説パールシード

1992年に発売されたTRPGの復刻版。「初心でも簡単にプレイできるTRPG」というコンセプトで作られているだけあって、その圧倒的な軽さがまず目を引きます。

数十分でセッションの準備が整う

なんといっても、キャラクター作成・世界観説明・ルール解説が数十分で完了できます。特にルール解説はダイス表の使い方さえ理解していればそれでOKという手軽さ。

スキルを選択するといった事も必要無く、クラスを選択すればそれで完了。該当ページを確認すればそれで良い作りなのも嬉しいです。

ロールプレイ支援のために、キャラクターの性格がシステムである程度決定づけられるのも、思わぬ個性が出てきてとても楽しく遊べます。

ダイス表を参照するだけのシンプルな構成を貫いている

判定の可否や戦闘の結果などは、全てダイス表を利用する形になっていて混乱する事は一切ありません。小難しい計算なども無く、ダイスを振れば「失敗だ! 剣は大きく宙を切っただけだった!」「何とか剣の先っぽが当たる! 2ダメージだ」と結果が出てそれがそのまま相手への効果となります。

ただ、それが戦闘を薄くしているかといえばそういう事も無く、しっかりとした手応えを維持しています。

MPという概念は無く、リソースは全てHPで管理されているので、魔法職はHPを消費して魔法を使います。ここが良く出来ていて、前衛と後衛が等しく消耗していくのが戦闘を盛り上げますし、堅実にダメージを与える剣士や、リスキーに大ダメージを与えられる魔法使いなど、クラス毎の特色を濃くしてくれます。

戦闘は頻繁に行われますが、上記の通り処理も複雑ではないので負担になりません。

成長する楽しさもしっかり味わえる

ダイス表を使う関係上、仕方のない事だが判定の成功率自体がレベルに依存する形になっています。レベル1だと中々成功しない判定も、成長するごとに段々とこなせるようになってくるのが、なんとも「成長」を実感する事が出来て楽しいです。

キャラクターもガッツリと強くなりつつ、その手軽さは一切失われません。煩雑なレベルアップ条件や処理も無しで、参照する表が変わったり修正値がついたりするだけというのが良いですね。

30分から遊べる手軽さ

総じて軽いため、30分程度でもわりとガッツリダンジョン探索や戦闘を楽しめる印象があります。

私は今回オンラインにて、ボイスセッションという環境で遊びましたが四時間で世界観解説からキャラ作成含めて二話分のキャンペーンを経験することが出来ました。ここまで軽いシステムは実際なかなかありません。

一話あたり戦闘を4回程度、ダンジョン探索がっつりロールプレイも楽しく経験できました。短い時間の中でちゃんと「遊んだ」と実感できる良いセッションとなりましたよ。

復刻版一周年記念本

そんなパールシードですが、復刻版が発売されて一周年という事で記念本が出るようです。

「聖珠伝説パールシード」復刻1周年企画本の案内(聖珠伝説パールシード支援サイト)

追加ルールやキャラクターが収録されたパールシードをもっと楽しめる内容になりそうです。なんとも楽しみですね。


ファンタジーTRPGをサクッと遊びたい。世界観説明やルール解説をガッツリやる時間も無い。空いた時間に軽く遊べつるシステムが欲しい。そういう時にパールシードはお勧めです。

こういうシステムを1つ持っていると、突発で卓を用意できて大変助かります。

こかげ書店で取り扱っているので、興味がありましたら是非とも一冊どうぞ!

聖珠伝説パールシード


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