Webを中心に、「Flash」の開発および提供を2020年末に終了する、とのAdobe Systemsの発表が話題になっています。これは7月25日に発表されたもので(公式リリース)、同社はApple、Facebook、Google、Microsoftなどのパートナーと協力して、FlashコンテンツをHTML5などのオープンフォーマットに移行するよう働きかけていくことを表明しています。
「そんなのTRPGと関係ないじゃない」と思う方もいるかもしれませんが、オンラインセッションにとっては無視できない影響があるんです。おなじみのオンラインセッションツール「どどんとふ」がFlashを採用しているからです。ユーザーの好意で開発・サポートされ、今やTRPGルールのほぼ全てに対応するほど大規模になったどどんとふを移行するのは商業サービスレベルの対応が必要であり、その後のサポートも考えれば移行は現実的ではありません。
この発表を受けて、どどんとふの大規模サーバーを運営する「どどんとふ公式鯖」「どどんとふむせる」からは、Flashの終了となる2020年をめどに運営を終了することが発表されました。
(※追記:「2020年をめど」と記載しましたが、どどんとふ公式鯖は「サービス利用に制限をかけてのデータ保全期間や猶予期間はそれよりも前」と発言されており、2020年より前の段階でサービス終了となる可能性もあります。また、ブラウザなどの対応が打ち切られる可能性もあります)
■どとんとふ公式鯖
Flash廃止に伴うどどんとふ公式鯖のサービス提供予定について、公式鯖のFAQを更新しました。今日の私の一連のツイートからもわかるように、サポート切れSWを前提としたサービス提供は行いません。#どどんとふhttps://t.co/iDLxW7hbMm
— どどんとふ公式鯖中の人 (@DoDontoF_Srv) July 26, 2017
■どどんとふむせる
むせるいんふぉめーしょん : どどんとふ「むせる」の終了時期について https://t.co/aaWxWiPPzL #どどんとふむせる #trpg
— どどんとふむせる運営 (@ddntf_museru) July 26, 2017
残念ではありますが、両サーバーのような大規模オンラインセッション環境を維持するには、インフラの確保にも運用にも多大なコストがかかるもの。これまではもちろん、2020年ごろまで運営し続けてくれることには感謝の念が堪えないところです。
(もちろん、長年サポートし続けている開発者のたいたい竹流さんにも頭が上がりません。ちなみに公式サイト「どどんとふ@えくすとり~む」のページ右下から竹流さんにamazonギフト券が送れますよ!)
とはいえ、どどんとふ以外にもオンラインセッションのツールは数多くあります。
TRPG.NET(現クリエイターズネットワーク)でおなじみのIRCはもちろん、どどんとふ公式鯖さんでも紹介されているNekochat(開発者サイト(Github))、Saider(開発者サイト)、Onset!(開発者サイト)というツールもあります。海外のツールでは、Roll20(コミュニティwiki日本語版)も非常に多機能なツールで有力候補の一つになるでしょう。最近は、音声通話可能なチャットツールDiscordでオンセをという動きも広がり始めています(Togetter:カンタンDiscord(導入編!)は大変分かりやすいまとめです。オススメ)。
こうしてツールを見渡してみると、改めてオンラインセッションは草の根のユーザー活動が支えてきたんだなと実感させられます。こうしたどどんとふ以外のオンセツールを模索する動きが、これから活発化しそうです。もちろん2020年まではまだ時間もありますし、さらに便利で新しいツールが現れるかもしれません。第二のどどんとふを目指す開発者さんにも期待しています!
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