ネット上で無料公開されているTRPGシステム「ゴリラTRPG」、PLはすべからくゴリラとなり、色々な世界をゴリラとして冒険するゴリラづくしのシステムです。
そのぶっ飛んだルールやコンセプトに目が行きますが、TRPGとして中々の完成度を持った油断ならないシステムでした。詳しくレビューしていこうと思います。
とにかくぶっとんだ世界観
世界観と言いますが、このシステムには明確な世界観はなく、ににかくゴリラでプレイさえしていれば、どんな世界だろうが構いません。ファンタジーだろうがSFだろうが学園ものだろうが構わない。それを良しとするのは、ゴリラをプレイするために構築された各種ルールです。
ゴリラを遊ぶための各種ルールが上手く機能し、物語はきちんと楽しく、ぶっ飛んだ物になっていきます。
とにかく楽しいキャラクター作成
TPRGの醍醐味の一つといえばキャラクター作成ですね。ゴリラTRPGにも、きちんとゴリラを作成するためのルールが完備されております。
そしてこれが抜群に楽しいのです！
まずキャラクター作成で参照する「ゴリラメイキングルール」にこうある。
まずは当wikiからゴリラシートを印刷しよう。
ゴリラシートは貴方のPGのデータや設定を記載するシートだ。
（いわゆるキャラクターシートである）
ゴリラシートが手元にない場合は、B5サイズの紙かバナナの皮に記載しよう。
※不可能と思われるかもしれないが、某ゲームでバナナの皮にサインをするシーンがあるため十分可能だ。
こ↑の↓徹底ぶり！ 嫌いじゃないです。こういう細かい所までコンセプトである「ゴリラ」が行き渡っていると読んでる方も楽しくなります。ちなみに「PG」はプレイヤーゴリラの略称で、プレイヤーが担当するゴリラの事です。
他にもPGの能力は「筋力、パワー、力、野生」の四つで思わずどう違うんだ！？ とツッコミを入れてしまったり、外見や血液型を決められない場合の表が↓こんな感じだったりと、最後まで楽しく読むことが出来る。
こんなに最後まで楽しく読めるキャラクター作成パートというのは、実際なかなかないです。細部まで行き渡るゴリラな雰囲気を存分に味わって下さい。
簡潔なルールとゴリラらしいロールプレイを支援する細かな配慮
ルールはいたってシンプルで、TRPGを一度は遊んだ事があれば特に迷う事もないと思えます。量も少なくて読みやすく文章もとてもシンプルに書かれているので混乱することもありません。
ただ、ゴリラTRPGの名に恥じない面白いルールも沢山あって、ダイス目が二つとも「5」だったらクリティカルよろしく「ゴリティカル」となる（６、６で揃っても何の意味も無い）みたいに本当に楽しく読むことができます。また、こういった一つ一つのルールが機能するだけでセッションが大変もりあがります。
こういうところにそのシステム「らしさ」が沢山あると、参加者にインストするときも楽しくできて理解も早くなるので良いですね。
ロールプレイを支援する「ゴリリング」ルール
実際ゴリラをどう遊べば良いのか分からない。やっているうちにゴリラから離れてしまった。そういった事はこの「ゴリラTRPG」ではほとんどありえない。参加者が自然にゴリラをロールプレイすることが出来るように、このシステムには「ゴリリング」なるルールがある。
ゴリリングは、ゴリラらしい振る舞いをした事によって適応されるルールで、これがセッション中に利用できるリソースである「バナナ」になったり、経験点を得るために必要になったりします。これが本当に良く機能していて、セッションを有利に進めるためにも「ゴリラらしくセッションを遊ぶ」事が必須になります。「ゴリラTRPGだからゴリラらしく遊ぶ」ではなく「セッションを進める上で有利になるからゴリラらしく遊ぶ」ことによって、セッション自然とゴリラらしくなっていきます。これは本当に凄いことだと思います。
そしてこのルールがあるために、リソースを確保するためにロールプレイが必須となることも見逃せません。積極的にセッションに関わっていくルールがシステム自体にある事で、セッションが活発になり、記憶に残る良い物になるかと思います。
経験点算出にも、ゴリリングの他に語尾に「ゴリ」や「ウホ」をつけたかなどの条件があったり、システムとして「ゴリラを遊べる」という目的は徹底されています。
万人に勧める事ができる汎用性の高さ
ファンタジー、ＳＦ、学園物などなど。TRPGは色々なジャンルがあります。その中でどのシステムをチョイスするのかは迷うものです。ふとした時に「こういうものがあるんだけれど、どう？」とお誘いする事は多いですが、安全牌として出せるタイトルというのは意外に少ないものです。当然ですよね、人それぞれ好みがありますし、例えば原作ものだとどれだけ知識があるのかも大切になってきます。
そういうとき「ゴリラTRPG」は無類の汎用性を誇ります。ネタとして笑いを取りつつ、「ゴリラ」は知識として皆知らないわけでもなく、詳しいわけでもないという意味合いで知識が一定していますからね。何より無料で遊べる事から敷居も低いです。ルール文章も前述の通り楽しく読めますから「なんだこれ凄い面白いぞ」と乗り気になってくれる人も多いです。
そしてどどんとふのダイスボットとして「ゴリラTRPG」は搭載されております。これはもう遊ぶしかありませんね。
まとめ
ゴリラTRPGはそのインパクトにより名前だけが駆け巡っている印象がありますが、システムとして「ゴリラを遊ぶ為に」キレイにまとまった素晴らしいシステムだと私は思っています。
各種ルールが邪魔をすること無くしっかりと機能し、徹底されたコンセプトによってまとめあげられています。ネタとしてだけではなくシリアスにもしっかり対応して遊べる無料公開TRPGとして、「ゴリラTRPG」は本当にお勧めです。是非ともマスタリングできるタイトルの１つとしてストックしておいて損はないかなと思えますよ！
ゴリラTRPGサイトではリプレイやネタ小説など、サポートも充実しているのでそちらも覗いてみるともっと楽しく遊べるかと思います。皆で遊ぼう「ゴリラTRPG」！
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